人事評価制度を新たに構築する際、なるべくシンプルにスタートされることをお薦めします。
複雑になればなるほど、様々な歪みが出てきます。
もっと言うと、構築と運用を比べた場合、運用のほうが圧倒的に大事になるからです。
新たに制度を構築したからといって、そのまま運用する必要はありません。
基本方針は変わらないにしろ、毎年、なんらかの調整があって当たり前です。
評価基準、賃金水準、業績、組織図、離職率等々、見直すべき項目はいくらでもあるからです。
人事評価制度に正解はありません。
残念ながら、全社員が納得できる評価もないのです。
基本的に人は皆、「自分は頑張っている」と思っているからです。
正当に評価していても、本人からしたら「会社は評価してくれない」と思うことは多々あります。
本人が思うより下の評価をした、というだけなのにです。
そもそも私は人事評価制度の運用は、永遠のテーマであると感じています。
「人が人に点数をつけることはできない」と考えているからです。
では、人事評価制度が要らないかと問われれば、それは違います。
完璧な制度は構築できなくても、社員が働いていて組織である以上、できるだけ公平に評価する制度を追求するべきです。
そのためにも、運用をしていく過程で常に調整し、評価の精度を高める必要があるのです。