たまにですが、社労士を目指したいという方から相談を受けます。
「自分も社労士資格と取って、開業したい」と。
勉強しようとすること自体が素晴らしい考えですし、やらない理由は全くないと思います。すぐにでも取り組むべきですよね。
ただ、開業と言うと、少し慎重にならざるを得ないと感じます。
どのタイミングで開業するのか?ということです。
開業することで、会社員では普通にあった給料(=決まった収入)が無くなってしまうのです。
ちなみに、私は平成18年に社労士資格に合格しました。
当時、私も開業を検討しましたが、結局は実務が未経験であったこともあり、いったん社労士事務所に転職しました。
その後、さらにIT企業に転職し、通算15年程度の人事労務の実務経験を経て、令和2年に開業しました。
今では多くの社労士と知り合い、開業当時の色々な話を聞きます。
実は、圧倒的に多いのは実務未経験であっても、資格取得と同時に開業しているケースなのです。
今でも、どのタイミングで開業するのが理想だったのか?考えることがあるのですが、なかなか難しい問題だと思います。
どのタイミングであっても、開業当初から少なくても1年くらいは軌道に乗らないからです。
うまくいくかどうかは、基本的に実務経験とは関係ないと思われます。
ただ、あえて言うと、やはり早めのほうが良いと感じます。
少なくとも65歳で会社勤務を終え、それから開業するというのは避けるべきかと考えます。
「いつまでやるの?」と問われた場合に、相手を納得させるような返答が難しいからです。
「70歳までやります」と言っても、「5年しかないじゃん」となります。
「80歳までやります」と言っても、「本当にそこまでできるの?」となるのです。
そう考えると、60歳以降の働き方は、50歳くらいまでには決断をし、準備を始めないと間に合わないということになります。
会社を辞めるのは勇気がいりますが、結局はどのタイミングであっても苦労はするのですから。
(決して、会社を辞めることを薦めているわけではありません)