先日、相談を受けた内容になります。
その方は妻の代わりで連絡してきたご主人になります。
話を聞くと、それまで正社員で働いてきた妻が妊娠しており、最近は体調不良が続いているらしいです。
「会社からの配慮か、『短時間勤務となるパートタイマーに変更したら』と提案を受けました。受けるべきでしょうか」との相談でした。
一見、まっとうな提案のような気もします。
正社員は基本的にフルタイム勤務であり、妊娠による体調不良が続いているようなら、パートタイマーに変更したほうが働き方にゆとりが持てるようになるからです。
ただし、私は安易に受け入れることはできないと考えます。
パートタイマーになることにより、どの程度の勤務時間を想定しているか不明ですが、場合によっては社会保険や雇用保険の資格を喪失してしまうからです。
仮に喪失してしまうと、産休中の出産手当金、育休中の育児休業給付金といった公的支援を受けられなくなる可能性があります。
数十万円、数百万円といった話です。
確かに本人にとっては、会社に迷惑をかけていると負い目を感じているかもしれません。
でも、全く気にする必要はありません。
個人差はあると思いますが、妊娠中の体調不良は当たり前です。普通のことなのです。
言うまでもありませんが、出産や子育てにはお金がかかります。
本来、このような状況のために高い保険料を支払ってきたわけです。出産手当金・育児休業給付金とも、当然に受ける権利があります。
ちなみに今回の相談をしてきた方は、上記のような公的支援のことは全く説明されず、パートタイマーに変更することだけの提案を受けたらしいです。
仕事のことは会社が考えればいいので、本人としては無事に出産することだけに気を使ってほしいと感じます。
短時間勤務にするかどうかは、産休や育休を終えて、職場へ復帰する時に考えれば良いのです。